
【要約】
こちらの記事は『「大企業病」と「他人任せ」が蔓延…7870億円の大赤字に陥った日立が挑んだ、組織と事業ポートフォリオの変革とは?』の要約です。
日立製作所は、2009年度に 7870億円の過去最大級の赤字 を計上したことを契機に、本格的な経営改革へ踏み切った。川村氏、中西氏、東原氏ら歴代経営陣が、従来の日本的大企業文化(JTCモデル)から、より明確な責任と市場視点を重視するRJモデルへの転換を図った。
● 1. IoT戦略「Lumada」による事業ポートフォリオ再構築
- 2016年、東原氏が IoTを中核事業に据えた「Lumada」戦略 を開始。
- 事業価値の基準が厳格化し、売却・維持の判断が迅速化。
- その結果、22社の上場子会社を売却(日立化成・日立金属・日立建機など主要事業も含む)。
- 同時にスマート工場、鉄道自動運転などに1000億円超を投資。
- 2021年には Lumada関連売上が全体の20% にまで拡大。
● 2. 人事制度の転換 ― “年功序列”から“ジョブ型”へ
- 上級管理職からジョブ型評価へ移行。勤務年数ではなく職務難易度・成果で評価。
- 2021年には管理職以外にも拡大。市場価値に基づく給与体系へ。
- 需要の高いデータサイエンティストなどには競合並みの高待遇を実施。
● 3. 機構改革と意思決定の迅速化
- 巨大カンパニー制を細分化し、権限委譲を進めた。
- 各事業ユニットの責任者が明確化され、地域ごとに裁量を持てる体制へ。
- 長期視点の経営と、顧客の問題解決に寄り添う姿勢を重視。
● 4. 積極的なM&Aとグローバル拡大
- ABB送配電事業やGlobalLogicの買収など、2兆2000億円規模で大型M&A を敢行。
- 送電機器・鉄道信号システムで世界最大級へ。
- 一方で旧来の非中核事業を売却し、構造転換を完了。
■ 結果
- 2021年:売上10兆円、営業利益率8%を達成。
- 株価は10年で3倍、2025年には時価総額17〜18兆円と4倍近い伸びに。
日立の改革は、大企業病や他人任せ体質から脱却し、「価値基準の明確化」×「事業再編」×「ジョブ型人事」という総合的な構造改革によって再成長を実現した点が特徴です。
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【所感】
・「勤務年数ではなく職務難易度・成果で評価」そう言われて久しいが未だに旧態依然とした体質が残る企業が多いと思う。変革にはまず働く人たちのモチベーションを上げる人事改革が必要だと思う。



