
【要約】
こちらの記事は『ニワトリが先のアプローチでIoT導入、まずはラズパイで生産管理指標を可視化せよ』の要約です。
1. IoT導入の基本方針
中小製造業でのIoT導入は、最初にすべてをデジタル化する「卵が先のアプローチ」ではなく、現場で取り組みやすい部分から導入を進める「ニワトリが先のアプローチ」が推奨されます。
- 理由: 現場の負担を軽減し、効果を早期に実感させることで新しい仕組みを定着させやすくする。
2. 現場管理における課題とIoTでの解決策
2.1 主な課題
- データ収集の遅延:
手書きの日報からExcelへの入力に時間がかかり、数日遅れでしか現場状況を把握できない。 - 不良原因の不足:
不良原因が記録されていない、または層別化されておらず、具体的な改善ポイントが不明瞭。 - 曖昧な設備停止記録:
停止時間や理由が明確に記録されず、原因分析や対策が困難。
2.2 解決策
- リアルタイムデータ収集と可視化:
- 設備からの信号や簡単な手入力を利用し、必要な情報を収集・蓄積。
- データをリアルタイムで可視化し、異常の迅速な対応が可能。
- 不良原因の詳細化:
- 過去のデータを元に不良原因の分類を設定し、項目の精緻化を図る。
- データ収集の項目を増やし、改善ポイントを明確化。
- 設備稼働データの自動収集:
- 設備から「自動運転」「異常停止」「段替え」などの稼働情報を自動取得。
- 状況の詳細な把握が可能となり、改善活動の精度を向上。
3. ラズパイ(Raspberry Pi)の活用
3.1 ラズパイの特徴
- 低価格・豊富なバリエーション:
最小モデルは数千円から購入可能。高機能モデルもあり、幅広い用途に対応。 - 情報が豊富:
オンラインでの使用例が多く、開発や導入の参考資料が手に入れやすい。 - 多機能なインタフェース:
Wi-Fi、Bluetooth、有線LAN、カメラ接続、HDMI出力などが標準で使用可能。 - 無償ソフトウェアでのアプリ開発:
PythonやOpenCVなどのオープンソースソフトウェアを活用できる。
3.2 ラズパイによる生産管理指標の可視化手順
- 設備の仕様確認:
設備の図面や仕様書を基に、信号出力方法と出力先を確認する。 - データ収集方式の判断:
データがアナログかデジタルかを判断し、それに合った収集方法を選択する。 - データ収集・蓄積:
ラズパイを用いてデータを集め、保存する仕組みを構築する。 - データの可視化:
収集したデータを基に、生産管理指標をリアルタイムで表示する。
4. 可視化する生産管理指標
ラズパイを用いて以下の指標をリアルタイムに表示し、現場改善を進めます。
- 稼働率/可動率のリアルタイム表示:
- 稼働率: 一般製造業での使用例が多い。
- 可動率: トヨタ生産方式を採用している企業で多く使用される指標。
- グラフや数値で表示し、設備の状態を即座に把握可能。
- 設備稼働マップ:
- 時間単位での稼働状況を表示。
- 稼働していない時間帯を可視化し、原因分析と改善活動に役立てる。
- 不良実績の可視化:
- 現場作業者が±ボタンなどで簡単に不良原因を入力可能。
- パレート図を出力し、不良の発生傾向や頻度を分析する。
5. 結論
ラズパイを用いたIoT技術を活用することで、現場の作業効率を向上させ、工程管理を強化できます。リアルタイムでの情報可視化や精緻なデータ収集により、異常対応の迅速化と改善活動の精度向上を実現できます。
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【所感】
・「手書きの日報からExcelへの入力に時間がかかり、数日遅れでしか現場状況を把握できない」同様の悩みのある企業は多いと思うのでこの施策は参考になると感じた。
・ラズパイは安価なので、まずはラズパイを用いたIoT化やデータ収集からスタートにするのは良いと思う。
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