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【要約・所感】作業の自動化を実現し2020年から故障ゼロ、TDKフェライト工場が掲げる「DXの次の目標」— JBpress

【要約】
こちらの記事は『作業の自動化を実現し2020年から故障ゼロ、TDKフェライト工場が掲げる「DXの次の目標」』の要約です。


稲倉工場東サイトの概要と強み

  • 一貫生産体制
     稲倉工場は、フェライト材料の製造から最終製品(フェライトコア)の生産までを一括して行う施設です。これにより、外部から材料を購入する場合に生じる制約を排除し、顧客の細かい要望に柔軟に応えられる設計・製造体制を確立しています。
  • 用途の広がり
     フェライトは、スマートフォンやPCといった電子機器だけでなく、自動車の電動化に伴い、車載用途でも需要が急増しています。TDKの磁性製品の売上では、自動車関連が全体の5割以上を占めています。

DXの具体的な取り組み

稲倉工場では、以下の5つのカテゴリを軸にDXを推進しています。

1. 設備効率の改善

  • 移動型ロボットの導入
     これにより、人が行っていた単純作業が自動化され、設備を停止せずに作業を進めることが可能になりました。結果として、稼働率が向上し、品質のばらつきが減少。
  • センシング技術の活用
     製造プロセス内のモーター電流や振動をリアルタイムで監視し、設備状態を可視化。これにより、品質の安定化や故障の予防が実現しました。

2. 品質改善

  • 品質予測の精度向上
     センシングデータを活用して、従来は完成後に確認していた製品の品質を、製造中に予測できるようになりました。これにより、不良品の発生を未然に防ぐことが可能となりました。

3. 作業変革

  • 単純作業の削減
     ロボットの導入で、人手が必要な作業を減らし、従業員はより高度な業務に専念。作業者の移動距離が80%削減され、点検時間も70%短縮されました

4. サプライチェーンのシームレス化(SCM)

  • 製造データのリアルタイム共有により、全体の生産計画や材料供給の効率化を進めています。

5. 省エネルギー

  • エネルギー消費率20%削減を目指す
     エネルギー使用の最適化を進めることで、環境負荷の低減にも取り組んでいます。

成果と進捗

  • 故障ゼロの実現
     センシングとデータ分析の導入により、2020年以降、設備の故障ゼロを達成。定期点検の頻度を最小限に抑えつつ、信頼性を高めています。
  • フェーズ4まで進行
     稲倉工場ではDXを7段階のフェーズで進めており、現在フェーズ4に到達。最終的なゴールであるフェーズ7では以下を目指します:
    • 設備が自律調整を行う完全なスマート工場の構築。
    • 不良品ゼロ(ゼロディフェクト)。
    • 単純作業の完全自動化。
    • エネルギー消費率20%削減。

若手育成と技術展開

  • 技術の若手世代への継承
     これまでの技術を伝えるだけでなく、デジタルネイティブ世代の特性を活かし、新しい技術への挑戦を重視。特にDX分野での活躍を期待しています。
  • グローバル展開
     稲倉工場での成果を海外拠点に展開し、マザー工場として日本流の技術やコスト改善手法を積極的に発信しています。

TDK稲倉工場の未来

須田工場長は、「これらの高い目標に向かって努力することに価値がある」と語り、進化し続ける製造業モデルを構築する意欲を示しています。DXと自動化技術のさらなる発展が、TDKの競争力強化に直結しています。

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【所感】
ロボットの導入の単純作業の削減は日本の少子高齢化を考えると、どの分野の製造業にとっても進めるべき事案だと思う
・「デジタルネイティブ世代の特性を活かし、新しい技術への挑戦」のように、若い世代が様々なことにチャレンジできる組織や風土が大切だと感じた

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