
【要約】
こちらの記事は『「聖地・秋田で比類なき工場DXを」“TDKの原点”製造のマザー工場で人と共同作業を行うロボットの秘密』の要約です。
DXの背景と目的
稲倉工場東サイトでは、少子高齢化が進む中で人手不足の解消と生産性の向上を目指して、DXに取り組んでいます。工場長の須田和博氏は、単純作業をロボットに任せ、クリエイティブな仕事に人が集中できるようにしたいという考えを述べています。また、作業の質を安定させるため、機械化により生じるばらつきを減らし、故障予知技術を用いて設備の保守性を向上させる狙いもあります。
ロボットによる自動化の導入
2021年から、稲倉東ではモバイルマニピュレータ(自律走行型ロボット)を使用して、成形工程の自動化を進めています。ロボットは、人間と協力しながら作業を行い、成形機から容器へフェライト成形体を移し替え、運搬する作業を自動化しました。ロボットがフェライト製品を丁寧に扱えるようにするため、動作検証や精度向上のための改良が行われました。特に、フェライトが脆いため、慎重な取り扱いが求められ、細かな動きや停止位置の調整が工夫されました。
リスク管理と安全対策
ロボットとの協働におけるリスク管理も重要な課題でした。工場内での立ち入り禁止区域や低速移動区域を設定し、ロボットが人に近づく距離や作業時のルールを明確にすることで安全を確保しています。また、ロボットにドライブレコーダーのようなカメラを装着し、エラー発生時に検証できる体制を整えています。
投資承認と経営層への理解
自動化の第一段階として、成形工程から取り組みました。成形工程は焼成工程よりも難易度が高いものの、自動化の効果が大きく、経営層への理解を得やすいため、最初に取り組みました。成形工程は全体の作業時間の約50%を占め、自動化の効果が大きいたため、成功を収めることで次のステップへの投資承認がスムーズに進みました。
今後の展望と自動化の拡大
現在、焼成工程の自動化も進めており、2024年内にステップ2-1の完成を目指しています。焼成工程の後半の自動化(ステップ2-2)は翌年から開始し、最終的には全体の自動化を完了させる予定です。さらに、これらの技術は水平展開され、他のラインにも適用される予定です。特に、中品種中量生産のラインにおいては、柔軟性を活かした移動型ロボットが重要な役割を果たします。
まとめと今後の方向性
このプロジェクトは、TDKの製造現場でのDXの一環として、ロボットによる自動化を進め、工場の生産性向上を目指しています。今後も人とロボットが協力して作業する環境を整え、生産性向上と品質安定を図りながら、DXの進展を続けていく予定です。
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【所感】
・ロボットとの協働におけるリスク管理をしっかりされているので協働ロボット導入検討時の参考になると感じた。
・今後の日本における少子高齢化社会を考えると、こういったロボットの導入はどの企業も検討すべきだと思う。
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