
【要約】
こちらの記事は『車部品4000種の製造自動化へ 高木製作所、人手不足備え』の要約です。
自動化の概要と進展
- 対象製品
主に給油口のふたや車内の固定具(ブラケット)などの小物部品を手掛けており、これらの製造ラインの自動化を進めています。 - 自動化の内容
- プレス成形、搬送、溶接、箱詰めまでの工程をロボットや無人搬送車(AGV)が担当。
- 溶接ラインでは、部品が箱の中にバラバラに置かれていてもカメラが認識し、ロボットアームが持ち上げて治具にセット。
- 自社開発の磁石を使った器具により、多様な形状の部品を扱えるように設計。
- プレス工程では、カメラ付きロボットアームによる収納作業の自動化を実現。
- 段替えの効率化
多品種少量生産において頻発する「段替え」を不要にする仕組みを導入。これにより生産効率が大幅に向上。 - 現在の進捗
- 溶接ラインでは33種類の部品形状に対応する設備を導入済み。
- プレス工程では7種類の対応を今春までに20種類に拡大予定。
コスト削減と品質安定への取り組み
- 自社開発の利点
生産設備を自社開発することで、外部からの機械調達に比べコストを抑えることが可能。 - 生産管理システムの導入
- 作業量の指示や進捗状況の確認、設備の故障検知を可能に。
- 熟練度に依存しない作業環境を整え、品質を安定化。
- 効果
労働力不足が深刻化する中、作業の速さや正確さのばらつきを抑え、効率化を実現。
将来展望
- 自動化の拡大
約8000種類の部品のうち、半数から6割を自動化で製造可能にすることを目指す。 - AIを活用した設計支援
- AIを用いて読み込んだ2万点の部品図面データを基に、車メーカー向けに低コストで効率的な構造や材料を提案。
- 将来的には部品設計の自動化にも挑戦。
- 電気自動車(EV)への対応
- 車体軽量化のニーズに応えるため、薄くて頑丈な「超ハイテン(高張力鋼板)」の加工に対応する大型プレス機を導入。
- 部品の一体成型による点数削減で効率を向上。
- 海外展開
- 米国など人件費が高く、人材の定着が課題となる地域に自動化ラインを展開し、さらなる採算性の向上を図る。
企業のビジョン
寺町泰晃社長は、組み立てだけでなく設計も含めた幅広い工程を自動化する構想を描いています。また、今後は自動化技術の向上を進めることで、国内外で競争力を強化していく考えです。
高木製作所はこうした取り組みにより、トヨタグループ向けを中心とした生産の効率化を図りつつ、次世代の車両需要に応える体制を構築しようとしています。
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【所感】
・『多品種少量生産において頻発する段替えを不要にする仕組み』は同様の自動車部品製造業においても課題と捉えている企業は多いと思う。
・導入前後で実際にどれだけの効果や工数削減が出来たのか、もう少し具体的な記載が欲しかった。
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