
【要約】
こちらの記事は『「プロダクトアウト型人事からの脱却を」 アサヒが人材戦略と企業価値のつながりを明確化した理由』の要約です。
■ 背景と目的
アサヒグループHDは、2024年から人的資本レポート「ピープル&カルチャー・レポート(P&Cレポート)」を発行し、人材戦略と企業価値向上のつながりを明示しています。
グローバル化が進む中で、人事施策がどのように企業価値に貢献するかを説明する責任が高まっていることが背景です。
■ 「プロダクトアウト型人事」からの脱却
谷村圭造氏(Group Chief People Officer)は、
従来の「自分たちの発想ありき」の人事ではなく、
企業価値向上という“ニーズ起点”で戦略を設計する姿勢が必要と指摘。
たとえ数値的な因果関係を完全に証明できなくても、
「人事と企業価値のつながりを示す努力」こそが本質的だと述べています。
■ 人事とファイナンスの協働
日置圭介氏(日本CHRO協会)によると、
アサヒの取り組みは「人事と財務の連携」を強化する点で画期的。
両者が“未来の企業価値”を共に考える姿勢が重要であり、
この協働こそが新たな経営基盤をつくると評価しています。
■ 社内外の反響
初年度(2024年)は外部評価が高かった一方、
社内では懐疑的な見方もありました。
しかし2025年には社員の理解が進み、
「企業価値との連関を意識する重要性」が社内にも浸透しつつあります。
■ 新たな指標「創出インパクト指数」
2025年版P&Cレポートでは、
人的資本投資の効果を可視化するために独自の「創出インパクト指数」を導入。
- 短期:人的資本ROI
- 中長期:成長余白指数+人的資本KPI
を組み合わせ、人的資本投資の効果を多面的に評価しています。
また、CxOメッセージを通じて定量(数字)と定性(理念・物語)を両立させている点も特徴です。
■ まとめ
アサヒグループHDの人的資本経営は「人事の見える化」ではなく、経営そのものにおける人事の役割再定義を目指しています。数値と想い、未来と現在をつなぐ「連関の可視化」は他社にも大きな示唆を与える取り組みといえます。
更に詳しい記事を読みたい方はこちら
【所感】
・こういった施策を企業の各組織にどうやって浸透させていくのか、そしてそれをどう数値化していく必要があるのかを改めて考えさせられた。