
【要約】
こちらの記事は『徐々にベールを脱ぐRapidus新工場、最新の状況は?SEMICON Japan 2024』の要約です。
Rapidus新工場「IIM-1」の現状と計画
- 工場建設の進捗
- 北海道千歳市に建設中の新工場「IIM-1」は、2nm半導体やGAA(Gate All Around)構造の製造を目指す。
- 2024年12月中旬にASML製EUV露光装置が搬入され、2025年3月末までに約200台の製造装置を設置予定。
- パイロットラインの稼働を経て、本格稼働は2025年以降。
- 技術トレーニング
- IBMでRapidusのエンジニア150人がトレーニング中。
- チームのローテーションで経験を蓄積し、技術力を強化。
- 省エネルギーの重要性
- AI需要の増加に伴うデータセンターの電力消費増加を抑えるため、微細化技術が重要。
- 2nm技術は、40nm比で20分の1、7nm比で4分の1の電力消費を実現。
- 新搬送システム
- 工場内のクリーンルーム(230×230m)はロジック半導体ファウンドリーとして世界最大級。
- AI制御の新搬送システムにより、サイクルタイムを短縮し、従来システムのトラブル問題を解消。
半導体産業の変化とRapidusの役割
- TSMCの支配に対抗
- 現在、先端半導体(3nm、2nm)の量産技術はTSMCが主導。
- Rapidusは、TSMCに対抗できるファウンドリーの存在として期待されている。
- 後工程の重要性
- これまで前工程が付加価値を担ってきたが、3次元化・チップレット化により後工程が重要に。
- 後工程の進化により、ロジックとメモリの近接化が可能になり、エネルギー効率が向上。
新しい半導体ビジネスモデル「RUMS」
- 専用多品種化への対応
- AIや自動車向けの専用チップの需要が2026~2027年に増加すると予測。
- 専用化により、消費エネルギーを大幅削減(最大4分の1)。
- スピード重視の製造体制
- Rapid and Unified Manufacturing Service(RUMS)として、設計から製造まで迅速対応する新モデルを採用。
政府の支援と日本の戦略
- 官民の大規模投資
- 日本政府は2030年度までに半導体分野へ10兆円以上の支援を計画。
- 官民合わせた50兆円規模の投資を通じ、国内半導体産業の競争力強化を目指す。
- 地域経済への波及効果
- 熊本県など半導体関連産業の集積地では、雇用者報酬の大幅増加(年間38万円増)など、地域経済の活性化が期待される。
結論
Rapidusは、2nm技術や新しい製造モデル「RUMS」を通じて、日本の半導体産業復活の鍵を握っています。政府支援を受けながら、AI需要や電力効率の課題に対応し、世界における競争力向上を目指しています。
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【所感】
・2nm技術や新しい製造モデルは簡単ではないと思うが、日本の半導体産業復活の鍵を握るRapidusには頑張って欲しい。
・AI需要や電力効率の課題への対応は世界共通の課題だと再認識できた。
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