【要約】
こちらの記事は『花王が、立ち上げた植物工場「スマートガーデン」』の要約です。2024年3月、花王はCO2を活用した植物工場「SMART GARDEN」を発表。環境負荷を抑えながら、機能性成分を多く含む高純度な植物エキスを生産することを目指します。
開発の始まり：土居のアイデア
2018年、電子材料の研究員・土居陽彦は「自分たちが本当に欲しいものを作る」発想から、花王独自の植物エキス開発を構想。環境配慮型の植物工場で、高機能なエキスを生産する方向性を決定。
出会いと挑戦
2019年、植物工場エンジニア・野口雄理とスキンケア研究員・稲葉さやかが加わり、異分野の専門家がチームを結成。
- 野口：「植物工場では野菜栽培が主流。ローズマリー栽培の採算性に疑問を持つも、有効成分の濃度向上で可能性を見出す。」
- 稲葉：「化粧品の処方開発の観点から、高純度な植物エキスに関心を持つ。」
ハーブティーのヒント
土居がハーブティーの成分を分析し「活性成分を残しつつ糖を除く方法」を発見。これにより、色や匂いの変化を抑えた高機能エキスの試作に成功。
栽培の壁と佐賀市との協業
ローマカミツレの水耕栽培が難航する中、2021年に野口が花王に入社。2022年、CO2活用技術を持つ佐賀市と提携し、新たな植物工場を構築。
- CO2再利用：佐賀市の清掃工場から精製CO2を供給し、光合成を促進。
- 環境負荷を抑えた栽培技術の確立：試行錯誤を経て、2023年に最高収量を達成。
商品化と未来へ
2024年、花王の化粧品ブランドにエキスが採用され、海外市場へも展開予定。
- 課題：品質・安全性の確保、安定生産、採算性の向上。
- 目標：社外企業への販売も視野に入れ、持続可能なエシカル原料の確立へ。
プロジェクトを支えた3人
- 土居陽彦（発案者・研究統括）：「偶然も味方につけたエフェクチュエーションの典型」
- 野口雄理（植物工場責任者）：「農業が憧れの職業になる未来を」
- 稲葉さやか（スキンケア研究）：「エシカル植物の力で肌も心も美しく」
まとめ
花王はCO2リサイクル技術とITを活用し、環境負荷の低い植物エキス生産システムを確立。多様な専門家の協力で、新しい価値を生み出す持続可能な取り組みが実現した。
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【所感】
・「自分たちが本当に欲しいものを作る」という発想がイノベーションに繋がると感じた。
・新たな事業や新規開発をするのであれば、花王のように異分野の専門家を集めることが大切だと感じた。
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