
【要約】
こちらの記事は『自動車産業が2035年に目指す姿や危機感をまとめたビジョンを発表』の要約です。
1. 背景と目的
日本自動車工業会(自工会)は自動車産業からモビリティ産業への変革を目指し「自工会ビジョン2035」を発表。自動車産業の貢献や課題を整理し、社会・産業界・政府との連携を強化しながら未来を築く方針を示した。
2. 自動車産業の貢献
- 経済波及効果:二輪車・乗用車・トラックなど、自動車関連産業は日本のGDPに大きく貢献し、約550万人が従事。
- CO2削減:2022年時点で日本の陸上輸送のCO2排出量は2000年比27%減(欧州は3%増、米国は6%減)。
- 燃費技術やHEV(ハイブリッド車)の進化が大きく貢献。
3. 課題と危機感
(1) 7つの優先課題
- 物流・商用・移動の効率化
- 電動車インフラ整備
- 国産電池・半導体の競争力確保
- 重要資源の安定調達とサプライチェーン強化
- 国内投資促進のための通商政策
- 競争力のあるクリーンエネルギー確保
- 業界横断のデータ連携
(2) 主要リスク
- 充電ステーション不足、電動車競争の激化
- 中国の新興企業の台頭と開発スピードへの対応
- ソフトウェア人材不足、プラットフォーム構築の遅れ
- 各国の規制強化とコスト負担増
- EVシフトによる資源不足(リチウム等の鉱物30~50%不足予測)
4. 2035年に目指す姿
(1) GX(グリーントランスフォーメーション)
- 多様なモビリティ・パワートレインの開発
- 充電/充填インフラの整備
- カーボンニュートラル燃料の活用
- サプライチェーンの強化と循環型社会の実現
(2) DX(デジタルトランスフォーメーション)
- 自動運転技術の活用で交通・物流の効率化
- モビリティサービスの向上(リアルタイムデータ活用)
- ソフトウェア定義車両(SDV)の推進
(3) ユーザー体験と産業競争力
- SDVによる新たな体験価値創出
- アップデートで車の価値を向上
- 経済活性化と持続可能な社会の構築
5. 政府・産業界との連携
- 法整備・インセンティブの活用
- 国際競争力を確保する通商政策
- エネルギー供給基盤の構築
- スタートアップや若い世代との共創推進
まとめ
「自工会ビジョン2035」は、自動車産業の変革とカーボンニュートラル達成に向け、電動化・デジタル化を推進しながら、持続可能な社会の実現を目指す。政府・他産業との協力が不可欠であり、法整備や規制対応も含めた包括的な戦略が求められている。
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【所感】
・日本は海外に比べて法規制が厳しすぎるので、新たなイノベーションが生まれにくいと思うので、この部分を早急に変えていく必要があると感じた。
・こちらに書かれている「業界横断のデータ連携」や「プラットフォーム開発」が自動車産業を変えるためには特に必要だと感じた。
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