
【要約】
こちらの記事は『計測器メーカーのチノーが既存システムを応用した「電力監視システム」を販売』の要約です。
第1章:誕生のきっかけ – 契約電力オーバー問題からの発想
株式会社チノーが「電力監視システム」を開発したきっかけは、事業所内での契約電力オーバー問題でした。契約電力量を超過すると、30分以内に電力を抑えないとペナルティが課され、次回以降の契約電力量が引き上げられてしまいます。
当初は電力量が限界に達するとライトが点滅する仕組みでしたが、常にライトを確認できないという課題がありました。そこで、既存の製品である無線ロガー「MD8000」と集録・監視パッケージシステム「CISAS」を活用し、契約電力到達前に総務担当者へメール通知を行うように改善しました。
「もしかしたら他社も同じ問題を抱えているのでは?」との気づきから、脱炭素・省エネ推進を背景に本格的な開発がスタートしました。
第2章:開発ストーリー – 社内プロジェクトの立ち上げと挑戦
2023年4月に社内プロジェクトチームが発足し、電力監視の本格的なシステム化が進みました。プロジェクトのキーワードは「手軽さ」。大掛かりな工事が不要で、誰でも簡単に導入できるシステムを目指しました。
すでにハードウェア(MD8000)とソフトウェア(CISAS)は存在していたため、準備期間は短縮。ただし、計測精度の確認は不可欠で、市販の電力計と比較した検証に約1ヶ月半を要しました。結果、目安として十分な精度を確保できました。
第3章:製品の特徴 – 簡単・手軽に電力を「見える化」
簡単設置で工事不要
- 既存分電盤にクランプを取り付けるだけで、すぐに電力監視を開始。
- MD8000は電池駆動で、電源がない場所にも取り付け可能。
- 磁石付き取付ホルダで設置がスムーズ。
無線送信で配線不要
- 収録データは無線で送信。新たな配線工事は一切不要で、稼働中の工場でも業務を止めずに導入可能です。
多彩なモニタリング機能
- CISASのグラフィックモニタで、施設全体の電力使用状況を俯瞰的に確認可能。
- 電力オーバー時は、メール通知、音声アラーム、ランプ点灯で多重警告。
- 日報・月報の自動出力で電力管理の効率化が図れます。
第4章:実証実験の成果と導入効果
社内での実証実験では、事業所全体の電力使用状況が「見える化」され、高消費電力設備(空調設備)の更新に繋がりました。結果、省エネルギーとコスト削減を実現。
導入企業のメリット
省エネ推進:無駄な電力使用を削減
電力契約の最適化:超過ペナルティを回避
コスト削減:電力使用の見直しで経費節約
このシステムは、ESG・SDGs対応を目指す企業や施設にとって有力なツールです。
第5章:今後の展望とメッセージ
株式会社チノーは、計測器メーカーとしての強みを活かし、既存顧客や新たな市場に向けて「電力監視システム」の普及拡大を目指しています。すでに温度監視でCISASを利用しているお客様にも電力監視機能を提案することで、リピート受注や口コミによる販路拡大に期待しています。
最新版の「CISAS 5」(2024年9月発売)は、30年間のノウハウを結集し、Windows依存を排除して安定した集中監視環境を実現しました。
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