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【要約・所感】世界に先駆けてIoT分野を開拓したコマツ、建設機械の在り方を変えた特許戦略「Komtrax」とは? — JBpress

【要約】
こちらの記事は『世界に先駆けてIoT分野を開拓したコマツ、建設機械の在り方を変えた特許戦略「Komtrax」とは?』の要約です。


Komtraxの概要とその意義

  1. Komtraxとは何か
    • Komtraxは、建設機械に取り付けられたセンサーを用いて、稼働状況、燃料の残量、位置情報などをモニタリングするIoTシステム
    • 建設機械業界におけるIoTの先駆けであり、1997年に基本コンセプトが発明されました。
    • 特に、盗難対策(位置追跡やエンジン停止機能)としての導入から始まり、次第に燃費向上アドバイスやメンテナンス管理など、多岐にわたるサービスを提供するシステムへ進化しました。
  2. 発明の背景
    • 1990年代末、建機の盗難やATM強盗に建機が使われる事件が多発。その対策として開発が始まりました
    • 当初はオプション装備として提供されていましたが、2001年には標準装備化。顧客からは「コマツの建機は盗難されても追跡できる」という高い評価を受け、盗難保険料の低減など直接的なメリットも生みました。
  3. 事業全体への波及効果
    • Komtraxを活用することで、建設機械の稼働データを基に需要予測が可能になり、生産計画や部品調達の調整が効率化
    • 特に、鉱山で使用される大型建機のような高単価・長納期の製品で大きな効果を発揮。無駄な在庫を削減しつつ、機会損失も防ぐ仕組みを構築しました。

Komtraxがもたらした経営改革

  1. 危機への対応力
    • 2001年の赤字とリストラを経て、「二度と赤字を出さない」という経営方針のもと、Komtraxが標準装備化。
    • リーマンショックのような世界的経済危機においても赤字を回避する強靭な経営体制を実現しました。
  2. コストを超えた投資の意義
    • Komtraxは開発・導入に多額のコストがかかりましたが、これを経営基盤の強化策と位置づけ、景気の波を乗り越える戦略的な投資として成功
    • 実際、在庫の最適化やメンテナンスの効率化などでコスト削減以上の成果を上げました。
  3. 顧客課題から社会課題への対応
    • 建機の盗難防止という顧客課題の解決を起点に、燃費効率の向上、メンテナンスのタイミング予測、建設現場の効率化など、新たな付加価値を提供
    • 顧客と社会課題の解決が自社の利益にもつながる好循環を構築しました。

特許戦略と技術革新

  1. 1997年の最初の特許出願
    • Komtraxに関する最初の発明は1997年。当時はまだ「IoT」という言葉も一般的ではありませんでしたが、特許出願により、競争優位を早期に確保。
    • 特許情報を紐解くと、Komtraxは単なる盗難防止技術にとどまらず、顧客の運用効率を向上させる新たなサービスの基盤となる発明であったことがわかります。
  2. 特許戦略の成功例
    • 特許を活用することで他社による模倣を防ぎ、市場シェアを拡大。
    • 技術革新に基づく新サービス(例:燃費向上アドバイス)を提供し、顧客満足度を向上させつつ、収益の多角化を実現。

Komtraxの次なる一手:「スマートコンストラクション」

  1. 事業の新展開
    • Komtraxによって構築されたIoT基盤を活用し、建設現場全体の効率化を目指す「スマートコンストラクション」に注力。
    • ドローンやAIを用いた建設現場のデータ分析、効率化、自動化が進行中
  2. 未来志向の経営戦略
    • Komtraxの成功体験を基に、さらに高度なデジタルソリューションを開発し、建設業界全体をリードする立場を確立。

まとめ

Komtraxは、単なるIoTシステムではなく、コマツの経営戦略そのものを支える基盤として機能してきました。特許戦略を駆使し、顧客課題を解決する技術革新を経営に組み込むことで、業界のパイオニアとしての地位を確立。現在は「スマートコンストラクション」へと事業の軸足を広げ、次世代の建設機械市場での優位性を築いています。

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【所感】
・建機の盗難防止という顧客課題の解決を起点にIoTを導入したように、課題解決のためにIoTを利用するという着眼点が大切だと感じた
・IoTを活用することで燃費効率の向上、メンテナンスのタイミング予測、建設現場の効率化のような「新たな付加価値を提供する」という意識が大切だと思う

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