
【要約】
こちらの記事は『ヤマハ物流部が築いた、「Excel地獄」からの脱却と年間200時間削減の舞台裏』の要約です。
1. 背景:グローバル物流の複雑化とデータ活用の必然
- ヤマハは世界約20の生産拠点・40以上の販売拠点を持つグローバル企業。
- 海上紛争、コンテナ不足、人手不足など物流環境が急変しやすく、経験頼みの物流運営では限界に。
- しかし、データは複数システムに分散し、Excelでの手作業統合が常態化。
- 抽出条件や加工ロジックも属人化し「同じデータなのに担当者によって数値が違う」という深刻な問題が発生。
2. 課題解決の第一歩:Domoによる「物流情報基盤」構築
- 2023年6月、ノーコードで使える統合BIツール「Domo」を採用。
- エンジニアがいない部署でも扱える点が決め手。
- 半年かけてデータを統合し、2023年12月に本格運用開始。
- Excel慣れの部内メンバーからは抵抗もあったが、「1時間の作業が1分に」など具体効果を示すことで浸透。
3. 物流情報基盤の構成と運用
- 現在 15種類のダッシュボードを稼働。
- 対応領域は生産物流、倉庫、海上/航空輸送、国内配送など物流全体をカバー。
- 開発担当がダッシュボード構築、他メンバーは分析や意思決定に専念。
4. Domo導入がもたらした業務変革(主な3つの成果)
① 海上輸送リードタイムの可視化
- 船社別の契約日数遵守状況が自動で確認可能に。
- 煩雑だった評価作業を劇的に効率化。
② 倉庫業務の最適化
- 在庫・入出庫データをリアルタイム共有。
- 倉庫業者が数カ月先のスペースを把握でき、急な在庫変動にも対応可能。
③ コンテナ積載率改善
- 積載率が数値で可視化され、「積み合わせ改善」などのアクションをすぐ実行できるように。
5. 年間200時間削減と迅速な意思決定の実現
- Excelでの集計作業が不要となり、部署全体で年間約200時間の工数削減。
- 関税政策など突発事態でも、常に最新データがあるため出荷戦略の判断が高速化。
- データ品質の統一により、部署全体の信頼性も向上。
6. 将来構想:「物流コントロールタワー」へ
- 物流を起点に、調達・生産・販売までサプライチェーン全体を最適化する構想。
- 他部門(営業・マーケ・生産)とのデータ連携も進行中。
- 販社の物流支援や、AI活用、海外展開も視野。
→ データを中核にした“次世代サプライチェーン運営”へシフト中。
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