
【要約】
こちらの記事は『新エネ車で先頭を走るBYD、企業としての本当の強みと急成長の裏にある死角とは?』の要約です。
BYDの急成長
- 2025年上半期、売上高7.7兆円・純利益3200億円。
- 新エネ車販売214万台で、世界第7位(ホンダ・スズキ・日産超え)。
- ただし、中国国内の「内巻(価格競争)」で成長が鈍化。
- 販売目標を550万台→460万台へ下方修正。
BYDの4つの強み
- 戦略的思考と実行力
- 「ガソリン車より安いEV」戦略で市場を席巻。
- 高効率エンジンや超高速充電など技術革新を次々発表。
- 価格戦争を自ら仕掛ける「振り落とし戦略」。
- 人材重視の企業文化
- 王伝福董事長の理念「造物先造人(モノを作る前に人を作る)」。
- 技術者中心・堅実な組織運営。
- トヨタの「モノづくりは人づくり」に通じる。
- 垂直統合と自社開発力
- 「ないものは自分たちで作る」方針。
- 子会社FinDreamsがバッテリー・半導体・eアクスルなどを一括開発。
- 「養殖池」戦略(先行技術の蓄積)
- 将来の市場需要を見越して技術を事前開発。
- 11万人超の研究開発人員による柔軟な技術投入体制。
BYDの4つの死角
- 「兵たんが伸び切っている」状態
- 海外拠点急拡大で人材育成・品質維持が難化。
- 組織的限界がリスクに。
- 従業員急増による組織のゆがみ
- 5年で人員20万人→100万人に。
- 教育や品質の均一化が課題。
- 「内巻」競争による業績ブレーキも懸念。
- 超高級車ブランド「仰望(ヤンワン)」の課題
- U7/U8/U9で高級市場へ参入(最大3500万円)。
- だが「値引きのBYD」イメージが足かせ。
- ブランド転換に時間が必要。
- SDV(Software Defined Vehicle)時代への対応力不足
- 自動運転などIT連携領域が弱点。
- AI・E2E技術でテスラや小鵬汽車に遅れ。
- BYDはMomenta社の技術を導入するが、IT企業との速度差が課題。
日本企業への示唆(和田氏の提言)
- 戦略的取組の高度化
- 技術・経営資源を一体化した「打つべきタイミング戦略」を確立。
- 基幹技術の積極開発
- AI、E2E、eアクスル、OTAなどの次世代技術で先手を打つ。
- 国際協業の深化
- 中国IT企業などとの越境連携による技術融合が鍵。
- 欧州勢のように国際パートナーシップを強化すべき。
まとめ
BYDは「技術主導・人材中心・自前志向」の企業として、中国のみならず世界の自動車産業を牽引している。しかし、組織拡大とIT時代への対応という新たな壁に直面中。一方、日本企業には、戦略性・スピード・国際連携の再構築が求められる。
更に詳しい記事を読みたい方はこちら
【所感】
・「造物先造人(モノを作る前に人を作る)」この思考持って人材育成することは今後の企業の成長や存続には欠かせないと思う。
これらの本はKindle unlimitedで無料で読めます。※初回30日間は無料です



