【要約】
こちらの記事は『元工作機械エンジニアが見た、メカトロテックジャパン2025』の要約です。
2025年10月22～25日に名古屋「ポートメッセなごや」で開催された、工作機械・設備・技術の専門展「MECT 2025」は、第1～第3展示館を全て使用し、来場者は7万7613人と前回を上回り盛況となった。展示は以下の3つのテーマが中心となった。
① 自動化技術の進展
製造現場の生産性向上に向け、既存技術をさらに効率化する提案が目立った。
- ターンキーソリューションの拡大（村田機械、FUJI）
ターンキーソリューション：「鍵を回せばすぐに使える」状態で納品される、完成済みのシステムやサービスのこと
- 研削工程の自動化
- オークマ：協働ロボットとCNC円筒研削盤でケレー作業の排除
- トーヨーエイテック：内面研削の心出し作業を自動化
- マシニングセンタの多機能化
- ブラザー工業：100本マガジンを搭載し多品種小ロット対応
- 芝浦機械：大型横中ぐり盤で航空機部品5軸加工
- 津田駒工業：100V駆動小型加工機「i-CUBE」
- ベンディング自動化（アマダ：協働ロボット付き「HRB-8025」）
ベンディング：主に金属板をプレスして「曲げる」加工技術
② DX／AI の活用
スペース制約により大きな展示は少なかったが重要技術が紹介された。
- 工具監視AI（高松機械工業 × THK）
刃物破損や機械トラブルの予兆検知 - デジタルツイン統合管理（アマダ）
板金工場の稼働状況を可視化し最適生産指示を行う「LIVLOTS」
③ 新加工技術・次世代技術
- レーザークラッディング（新日本工機）
「削り」と「盛り」の工程を1台に集約し金型加工を効率化 - ロボット加工機（桜井製作所：SAKU270F）
- 超高速パラレルリンク3次元測定機（レニショー：Equator-X）
- 医工連携の加工実演（インプラントや医療鉗子の加工）
総評
JIMTOFに比べ規模は小さいものの、中部地域の自動車産業を中心に、現場の生産性改善に直結する「実用的な自動化・DX技術」が重点的に紹介された展示会であった。VRによる大型機械展示など新たな展示手法も見られた。
更に詳しい記事を読みたい方はこちら
【所感】
・「実用的な自動化・DX技術」の事例は少ないので大変参考になった。
